裸足でも安心!天然木ウッドデッキが保育園に選ばれる理由
2025.10.29
保育園やこども園におけるウッドデッキは、単なる屋外設備ではありません。子どもたちが裸足で遊んだり、季節の変化を感じながら過ごしたりする、日常の一部となる大切な空間です。そのため、素材の選び方や設計には、住宅用や商業施設とは異なる配慮が求められます。
特に天然木のウッドデッキは、自然素材ならではの温かみや肌触りの良さ、環境への優しさといった特徴があり、保育環境との親和性が高いとされています。ただし、木材にはささくれや滑りやすさ、メンテナンスの難しさといった懸念もあります。
本記事では、保育園・こども園にふさわしい天然木ウッドデッキを選ぶためのポイントを、安全性・快適性・環境配慮といった観点からわかりやすく整理し、現場で役立つ知識として提供します。
園児が安心して使えるウッドデッキの基本条件
子どもが日常的に使う屋外空間には、安全性・快適性・衛生面など多方面の配慮が欠かせません。特に園児は転びやすく、肌もデリケートなため、素材の選定と設計には細心の注意が必要です。
天然木ウッドデッキを導入する際は、次のような条件を満たすことが求められます。
●滑りにくいこと
転倒リスクを減らすため、濡れてもグリップ力を保てる表面処理が必要です。
●トゲやささくれが出にくいこと
裸足で歩く子どもの足裏を守るため、加工技術と樹種の選定が重要です。
●有害な塗料や防腐剤を使わないこと
子どもが触れる部分に安全性の高い素材を用いることが不可欠です。
●夏の高温・冬の冷たさを和らげる素材であること
体温調整が未発達な子どもでも快適に過ごせる断熱性が求められます。
安全性:転倒・ケガを防ぐ3つの要素
園児が安全に過ごせるウッドデッキを実現するには、「滑りにくさ」「トゲ防止」「塗料の安全性」の3点が基本となります。これらは素材選定だけでなく、設計や施工の段階から考慮する必要があります。
濡れても滑りにくい表面仕上げの選び方
ウッドデッキは雨天や水遊びの後に濡れた状態で使われることが多く、滑りにくさは極めて重要な性能です。特に保育施設では転倒による事故を未然に防ぐ工夫が欠かせません。
●木材の表面加工による防滑性の確保
プレナー加工(表面を滑らかに削る処理)よりも、リブ加工(細かい溝を施す処理)が滑りにくさに優れています。
●油分を多く含む木材を選ぶ
イペやウリンなどは天然の油分を含み、濡れても比較的滑りにくい性質があります。
●施工時の傾斜設計
わずかな傾斜(1〜2%程度)を設けて排水を促し、乾きやすくすることも安全性向上に寄与します。
ささくれ・トゲが出にくい木材加工技術とは
天然木は経年劣化や乾燥により、ささくれやトゲが発生しやすい素材です。園児の足裏や手にケガをさせないためには、初期の加工技術と木材の選び方が決定的に重要です。
●高密度な木材を選ぶ
密度の高い木材は繊維が詰まっており、ささくれが起きにくくなります。イペ、ウリン、セランガンバツなどが代表的です。
●表面をサンダー仕上げで滑らかに加工
研磨によってトゲの発生を抑えつつ、触感もやわらかくなります。
●加圧注入処理済みの木材を活用
薬剤処理と乾燥を経た木材は構造的に安定し、割れやトゲが生じにくくなります。
子どもの肌にやさしい塗料・防腐剤の条件
子どもが日常的に触れるウッドデッキには、使用される塗料や防腐剤にも厳格な安全基準が求められます。皮膚への刺激が少なく、万一口に入っても安全な成分であることが前提です。
●植物由来の自然塗料を使用
亜麻仁油や桐油などをベースにした自然塗料は、アレルゲンや刺激物質を含まず安全性が高いです。
●防腐処理には安全性認定済みのものを選ぶ
JIS規格やF☆☆☆☆認定など、信頼できる安全基準に準拠した薬剤が推奨されます。
●塗布後の乾燥時間をしっかり確保
塗布後すぐに使用すると、揮発成分が残っていて肌に悪影響を及ぼす可能性があります。施工後の使用開始タイミングにも注意が必要です。
快適性:裸足でも心地よいデッキ材の条件
子どもたちはウッドデッキの上を裸足で歩いたり、座り込んだりして過ごします。そのため、素材の温度特性や肌触りは、安全性と同じくらい重要な要素です。保育園やこども園では、夏の高温によるやけどや、冬の冷たさによる不快感を防ぐために、素材の選定と設計段階での配慮が求められます。
●熱を吸収しにくい天然木を選ぶ
金属や人工木に比べ、天然木は熱伝導率が低く、直射日光を受けても表面温度が上がりにくい特徴があります。
●木目の柔らかい樹種を選定
足裏に伝わる感触をやわらかくするため、適度な弾力をもつ木材(例:レッドシダー、サイプレスなど)が効果的です。
●湿度を調整する天然素材の特性
木材は吸放湿性を持ち、湿度の高い夏には湿気を吸収し、乾燥した冬には放出して環境を整えます。
夏でも熱くなりすぎない天然木の選び方
夏季の屋外では、デッキの表面温度が60℃を超えることもあります。子どもの足裏を守るには、熱を吸収しにくい素材と構造の工夫が必要です。
●明るい色調の木材を採用
濃い色ほど熱を吸収しやすく、表面温度が上昇します。ナチュラル色や淡いトーンの木材は、熱の蓄積を抑える効果があります。
●板間に適度な通気隙間を設ける
空気が流れる構造にすることで熱がこもりにくくなり、表面温度を抑えられます。
●日射遮蔽を考慮した設計
パーゴラや日よけシェードを組み合わせることで、デッキ全体の温度上昇を防げます。
冬も冷たくない断熱性の高い木材とは
冬場に子どもたちがデッキに出る機会を減らさないためには、体感温度をやわらげる素材選びが大切です。木材の断熱性は、空気を多く含む構造によって左右されます。
●比重の低い針葉樹を選ぶ
軽量な木材は空気層を多く含み、熱を通しにくい性質があります。レッドシダーやスギはその代表例です。
●断熱層を確保した下地構造
床下に空間を設けることで、地面の冷気を遮断し、冬場でも冷たさを感じにくくなります。
●素足での接触試験を行う
実際の使用環境に近い状態で体感を確認することが、保育施設では特に重要です。
環境配慮と持続可能性も選定のカギ
近年、保育施設でも環境配慮が重視され、建材選びにおいても「サステナブル(持続可能)」という視点が欠かせません。天然木ウッドデッキは、再生可能資源である木材を活用しながら、森林保全や地域経済への貢献にもつながる選択肢です。
環境負荷を抑えつつ、長く使えるデッキを実現するためには、以下の点に注目する必要があります。
●適正伐採・再植林が行われている木材を選ぶ
FSC認証やPEFC認証を受けた木材は、環境保全に配慮した管理下で生産されています。
●地域産材の活用
輸送時のCO₂排出を抑え、地域の林業を支援する観点からも有効です。
●メンテナンス性の高い樹種を選定
長く使える素材を選ぶことは、結果的に廃棄物削減や資源の有効利用にもつながります。
SDGsに適した天然木材の見極め方
環境配慮を重視する保育施設では、素材の選定段階からSDGs(持続可能な開発目標)との整合性を意識することが重要です。特に以下の3つのポイントが判断基準となります。
●森林資源の再生可能性
計画的な伐採と植林が行われる森林から供給される木材は、資源の持続的利用を実現します。
●化学処理を最小限に抑える
自然塗料や無公害防腐処理を選ぶことで、製造・使用・廃棄時の環境負荷を低減できます。
●耐久性と修繕のしやすさ
長く使い続けられることが、廃棄物削減と資源保護の両面で重要です。
人工木と天然木の比較:保育園に適するのは?
人工木(樹脂木)はメンテナンス性や耐久性の高さで人気がありますが、保育施設では天然木との比較検討が必要です。それぞれの特性を理解することで、目的に合った選択ができます。
●天然木の特徴
温かみと自然な質感に優れ、裸足でも快適に使用できます。環境面でも再生可能資源として優れていますが、定期的なメンテナンスが必要です。
●人工木の特徴
腐食や色あせに強く、メンテナンスの手間が少ないのが利点です。ただし、夏場に熱くなりやすく、自然な触感は得にくい傾向があります。
●保育園での最適解
安全性・快適性・環境配慮の観点からは、質の高い天然木に適切な加工・保護を施す方法が最もバランスに優れています。
施工と設計:現場に即した工夫でさらに安全・快適に
ウッドデッキの素材が適切でも、設計や施工の工夫が不十分であれば、安全性や快適性を損なう恐れがあります。特に保育施設では、日差し・動線・園児の活動範囲など、利用シーンを細かく想定した設計が不可欠です。ここでは、実際の現場に合わせた設計・施工上のポイントを整理します。
●日陰の確保や屋根との連携で安全性を高める
●子どもの成長や動きに配慮した動線設計
●園庭との接続や段差処理の工夫
屋根・日陰との組み合わせで安全性を高める
ウッドデッキに屋根や日よけを設置することで、直射日光を防ぎ、熱中症リスクを大幅に軽減できます。日陰を上手に活用する設計は、夏の快適性だけでなく、雨天時の利用範囲拡大にもつながります。
●固定屋根やパーゴラの導入
半透明の屋根材を使えば、明るさを確保しつつ紫外線や熱を抑制できます。
●可動式のシェードやタープの設置
時間帯や季節に応じて柔軟に日陰を作ることができ、利用範囲が広がります。
●樹木による自然な日陰づくり
植栽と組み合わせることで、視覚的なやすらぎと自然との触れ合いが生まれます。
園児の動線と成長を考慮したレイアウト設計
園児は年齢によって体格や動きが異なり、遊び方や使い方も変化します。そのため、ウッドデッキは成長に応じた柔軟な動線設計が求められます。
●年齢別の利用ゾーンを設定
低年齢児には囲いをつけた安全スペース、年長児には広く自由に使えるスペースなどを設けることで、安全性と活動の自由を両立できます。
●段差のないスロープ設計
転倒リスクを減らし、ベビーカーや車いすでも使えるユニバーサル設計を実現できます。
●屋内との接続をスムーズに
ウッドデッキと室内をバリアフリーでつなげることで、活動の流れが途切れず使いやすくなります。
メンテナンス性:保育施設に適した天然木材の条件
ウッドデッキは屋外で常に風雨や紫外線にさらされるため、メンテナンスを前提に素材を選ぶ必要があります。特に保育施設では、定期的なメンテナンスにかけられる時間や人手が限られることが多く、メンテナンス性の高さが導入可否を左右します。
●耐久性とメンテナンス性を両立する木材を選定
●塗装や補修がしやすい仕上げを採用
●定期点検しやすい構造設計を取り入れる
定期メンテナンスが簡単な樹種・加工とは
木材の種類や加工方法によって、メンテナンスの頻度や手間は大きく変わります。長期的に美観と機能を維持するには、以下のような視点で選ぶことが重要です。
●耐久性に優れたハードウッドを採用
イペやウリンなどは防虫性・防腐性が高く、10年以上の使用にも耐えます。塗装なしでも使用できるため、メンテナンス負担が軽減されます。
●プレナー仕上げやサンダー加工で表面を滑らかに
トゲや割れを防ぐだけでなく、再塗装時の下地処理が簡単になります。
●加工時に防腐処理された木材を使用
加圧注入処理済みの木材は、内部まで薬剤が浸透しており、長期間腐食を防ぎます。
長期間美しさを保つ塗装・保護仕上げ
美観と安全性を長持ちさせるためには、塗装や保護仕上げにも工夫が必要です。特に園児が使用する環境では、安全性と補修のしやすさを兼ね備えた製品が求められます。
●自然塗料の定期塗布で美観を維持
環境にやさしく、塗膜の劣化後も重ね塗りがしやすいため、手間を抑えつつ美しさを保てます。
●撥水性の高い保護剤を選ぶ
水の浸透を防ぎ、木材の腐朽やカビの発生を抑えられます。
●部分補修が容易な構造にしておく
デッキ材が一枚ごとに取り外しできる設計であれば、劣化部分のみの交換が可能になります。
まとめ

保育園・こども園におけるウッドデッキ選びは、子どもの安全と快適性、そして施設の管理しやすさをすべて両立する視点が必要です。天然木はその温かみと自然な風合いにより、園児の育ちに寄り添う理想的な素材ですが、素材の選び方や加工方法によって、安全性と耐久性が大きく変わります。
●安全性を確保するには、滑りにくさ・トゲ防止・安全な塗料の選定が重要です。
●快適性のためには、温度変化に強く裸足でも心地よい素材を選ぶ必要があります。
●環境配慮では、認証材や地域産材の活用が持続可能な施設づくりに貢献します。
●設計や施工では、日陰の確保・動線計画・段差の排除が使いやすさを左右します。
●メンテナンス性の高い木材や仕上げを選ぶことで、長く安全に使用できます。
これらの視点を押さえれば、園児が安心して過ごせるウッドデッキを実現できます。素材の選び方ひとつで園児たちの毎日は大きく変わります。環境にも子どもにも優しい選択を、今から始めてみませんか。