オフィスに富山県産スギを。ウッドデッキ導入が企業価値を高める理由

2025.12.26

企業が地域社会とどのように関わり、どのような価値を提供するかが問われる時代になりました。オフィス環境への投資においても、単なる機能性の追求だけでなく、企業の姿勢を示すメッセージ性が求められています。

その中で注目されているのが、地元の素材である「富山県産スギ」を使用したウッドデッキの導入です。これは単なる社員の休憩場所を作る工事ではありません。

地産地消によるSDGsへの貢献であり、地域経済を循環させる具体的なアクションです。オフィスの外構に地元の木材を取り入れることは、富山に根差す企業としてのアイデンティティを確立する戦略的な投資となります。

無機質なコンクリートや既製品の素材では表現できない、温かみとストーリー性を持った空間。それが社員の働きがいを高め、訪れる人々に御社の誠実さを伝えます。

本記事では、富山県産スギを活用したウッドデッキ導入がもたらす多面的な価値について解説します。コストやメンテナンスの懸念も含め、導入判断に必要な情報を整理してお伝えします。

経営戦略として「富山県産スギ」を導入する3つのメリット

オフィスの改修や新設において、外構素材の選定は経営判断の一つです。耐久性だけを考えれば輸入材や人工木という選択肢もありますが、あえて「県産スギ」を選ぶことには明確なリターンがあります。

ここでは、決裁者として押さえておくべき3つのメリットを解説します。地域資源の活用が、企業の信頼性向上や人材確保にどう結びつくのかを確認してください。

地域貢献とSDGs・ESG経営の具現化

企業評価の指標として定着したSDGsやESG経営において、地産地消は最もわかりやすく効果的な取り組みの一つです。地元の木材を使うことは、地域の森林保全に直結します。

適切に木を切り、使い、また植えるというサイクルを回すことで、富山の豊かな山林環境が守られます。県産スギの利用は、この循環を守る具体的な支援活動となります。

●ウッドマイレージの削減
海外からの輸入材と比較して、輸送距離が圧倒的に短いため、輸送時に排出されるCO2を大幅に削減できます。環境負荷の低減を数値として示しやすく、環境報告書やCSR活動として対外的に強くアピールできます。

●地域経済への直接的な貢献
県内の林業、製材業、施工業者へと資金が循環し、地域経済の活性化に寄与します。地域にお金を落とす企業としての姿勢は、地元自治体や取引先からの信頼獲得につながります。

社員のウェルビーイングと「富山らしさ」の共有

働く環境の質は、社員のパフォーマンスやエンゲージメントに大きく影響します。コンクリートや鉄に囲まれたオフィスでは得られない、天然木ならではの効能がウェルビーイングを高めます。

特にスギ材は、日本人が古くから慣れ親しんできた樹種です。その柔らかな足触りや視覚的な温かさは、緊張した心身を解きほぐすリラックス効果を持っています。

●フィトンチッドによるリフレッシュ効果
スギが発散する芳香成分には、ストレスを軽減し自律神経を整える作用があります。休憩時間にデッキに出るだけで気分転換ができ、午後の業務への集中力を回復させるリフレッシュエリアとして機能します。

●帰属意識と誇りの醸成
自分たちが働くオフィスに地元の名産が使われていることは、社員にとっての誇りとなります。「富山の木を使ったオフィス」という事実は、企業と地域、そして社員をつなぐ共通言語となり、組織への愛着を深めます。

企業ブランディングと採用力の強化

採用市場において、求職者は企業の「人となり」や「価値観」を敏感に感じ取ります。オフィスの入り口や休憩スペースに県産材のウッドデッキがある風景は、それだけで強力なメッセージとなります。

言葉で「地域貢献」や「社員大切」と掲げるよりも、実際の空間として具現化されている方が説得力があります。温かみのある誠実な企業イメージは、人材確保において大きな武器となります。

●企業のストーリー性を可視化
「なぜこの木を選んだのか」という背景を語ることで、企業の理念や地域への想いを求職者に伝えられます。単に利益を追求するだけでなく、環境や文化を大切にする企業姿勢は、特に若い世代の共感を呼びます。

●来訪者への第一印象を向上
取引先や顧客が来社した際、最初に見えるエントランスや中庭が美しく整備されていることは信頼感につながります。年月と共に風合いを増す天然木のデッキは、長く堅実に事業を継続していく企業の安定感を印象付けます。

人工木(樹脂)ではなく「県産天然木」を選ぶべき判断基準

オフィスのウッドデッキを検討する際、メンテナンスフリーである樹脂製品(人工木)と比較検討されるケースが多くあります。樹脂製品は腐食せず、色あせも少ないという工業製品としての利便性を持っています。

しかし、あえて「県産天然木」を選ぶ企業が増えているのは、機能スペックを超えた情緒的価値と環境的合理性がそこにあるからです。天然木でなければ得られない、企業としての採用基準を解説します。

五感に働きかける本物の質感と調湿機能

天然木と樹脂製品の最大の違いは、実際に触れたときの感覚と快適性にあります。特に富山のような高温多湿な夏や、雪の降る冬がある環境下では、天然木の物理的特性が優位性を発揮します。

スギは細胞内に多くの空気を含んでいるため熱伝導率が低く、外気温の影響を受けにくい素材です。真夏の直射日光下でも、樹脂製品のように表面が火傷するほどの高温にはなりません。

●夏場の表面温度抑制
樹脂デッキは夏場に表面温度が60度近くまで上昇することがあり、日中は立ち入ることさえ困難になります。対して天然木のスギは、触れても不快な熱さを感じにくく、夕涼みやランチタイムの利用に現実的に対応できます。

●調湿作用による快適な空気感
天然木は周囲の湿度に合わせて水分を吸放出する「呼吸」を行っています。雨上がりや湿度の高い日でも、デッキ周辺の空気はさらりとしており、不快な湿気がこもりにくい環境を作り出します。

経年変化(シルバーグレー)を味わう美学

樹脂製品は施工時が最も美しく、その後は紫外線による退色や劣化が進んでいきます。一方、天然木は時間とともに色が変化し、その変化こそが「味わい」として評価されます。

屋外にさらされた木材は、紫外線によってリグニンが分解され、次第に美しい銀灰色(シルバーグレー)へと変化します。この変化を「劣化」ではなく「成熟」と捉える感性が、企業の深みになります。

●風景に馴染む自然な色彩変化
新品の木材の明るい色も魅力的ですが、年月を経て落ち着いたシルバーグレーになったデッキは、周囲の植栽や建物と見事に調和します。人工物では出せない落ち着きが、オフィスの景観に品格を与えます。

●企業の歴史を刻む象徴
色が変わり、表面が摩耗していく様子は、その場所で企業が活動を続けてきた時間の証です。「古くなる」のではなく「風合いが増す」という価値観は、長く続く老舗企業や、持続可能性を重視する企業のスタンスと合致します。

環境負荷と廃棄時の循環サイクル

導入時のコストや見た目だけでなく、役割を終えた後の「出口戦略」まで考えるのが、現代の責任ある企業経営です。廃棄時の環境負荷において、天然木と樹脂製品には決定的な違いがあります。

樹脂製品はプラスチックと木粉の合成物であり、廃棄時は産業廃棄物として処理され、リサイクルも容易ではありません。対して天然木は、土に還る素材であり、エネルギーとしても活用可能です。

●カーボンニュートラルな廃棄プロセス
スギ材は最終的に腐朽して土に戻るか、バイオマス燃料として燃焼させて熱エネルギーに変換できます。燃焼時に排出されるCO2は、成長過程で吸収したものであるため、大気中の二酸化炭素総量を増やしません。

●将来の更新コストの低減
数十年後にデッキを作り直す際、天然木であれば撤去や処分のコストを低く抑えられます。環境負荷を最小限に留める素材選びは、将来の経営負担を減らすリスクヘッジでもあります。

高耐久処理で実現する「富山県産スギ」の長期活用

「スギは柔らかくて腐りやすい」というイメージをお持ちの方も多いはずです。確かに未処理のスギ材をそのまま屋外で使用すれば、数年で腐食が進んでしまいます。

しかし、現代の木材保存技術は飛躍的に進化しています。適切な処理を施すことで、スギの弱点を克服し、オフィスという公共性の高い場所でも長期にわたって使用できる耐久性を実現できます。

現代の技術「加圧注入処理」による高耐久化

富山県産スギを屋外で長く使うために不可欠なのが「加圧注入処理」です。これは、木材を専用の釜に入れ、高圧力をかけて薬剤を木材内部の深くまで浸透させる技術です。

表面に塗料を塗るだけの処理とは異なり、木材の内部まで防腐・防蟻成分が行き渡るため、長期的な耐久性が担保されます。

●ACQなどの安全な薬剤の使用
現在主流となっているACQ(銅・アルキルアンモニウム化合物)などの薬剤は、環境や人体への安全性が確認されています。公園の遊具や木道でも採用されている信頼性の高い技術であり、社員が触れても安心です。

●窒素加熱処理などの薬剤を使わない選択肢
薬剤の使用を避けたい場合は、窒素加熱処理(サーモウッド処理)という選択肢もあります。熱と水蒸気だけで木材の性質を改質し、腐朽菌のエサとなる成分を変化させることで、高い耐候性を実現します。

輸入ハードウッドと比較したコストパフォーマンス

屋外デッキ材として人気のあるイペやウリンなどの輸入ハードウッドは、確かに耐久性は抜群です。しかし、近年の世界的な木材需要の増加や輸送コストの高騰により、価格は年々上昇しています。

これに対し、富山県産スギは地元で調達できるため、為替や国際情勢の影響を受けにくく、コストパフォーマンスに優れています。

●イニシャルコストの大幅な抑制
輸入ハードウッドと比較して、県産スギの材料費は大幅に安価です。浮いた予算を、照明演出や植栽、家具などの周辺設備に回すことができ、空間全体の質を向上させられます。

●加工のしやすさが生む施工費の削減
ハードウッドは非常に硬く、加工には専用の工具や多くの手間が必要です。スギは加工性が良いため、施工スピードが速く、職人の手間賃(施工費)を抑えることにもつながります。

メンテナンスと「地産地消」の更新サイクル

天然木である以上、定期的なメンテナンスは必要です。しかし、県産材を使用していることは、メンテナンスや補修においても大きなメリットとなります。

輸入材の場合、数年後に補修しようとしても同じ材料が入手できない、あるいは高額になっているリスクがあります。地元の木であれば、必要な時に必要な分だけ、地元の業者からすぐに調達できます。

●部分交換による長寿命化
全体を一度に張り替えるのではなく、傷んだ箇所だけを部分的に交換することが容易です。定期的に手を入れることで、全面改修の時期を先延ばしにし、トータルの維持管理費を平準化できます。

●社内イベントとしてのメンテナンス活用
年に一度、社員でデッキの保護塗装を行うイベントを企画するのも一案です。自分たちで手入れをすることで愛着が湧き、チームビルディングの一環としても機能します。

補助金活用の可能性と地域経済への波及

県産材の利用は、自治体の政策とも合致します。富山県や各市町村では、県産材の利用促進を目的とした補助金制度を設けている場合があります。

オフィスや事業所での県産材利用が補助対象となるケースも多く、これらを活用すれば導入コストをさらに抑えることが可能です。

●地元業者への発注が地域を潤す
設計から施工、メンテナンスまでを地元の業者に発注することは、地域内での経済循環を生み出します。地域にお金を落とし、地域の雇用を守る企業としての評価は、巡り巡って本業への信頼へと還元されます。

導入効果を最大化する空間演出と活用シーン

県産スギのウッドデッキを設置することはゴールではなく、そこから生まれるコミュニケーションや新しい働き方のスタートです。

ただの「通路」や「喫煙所」にしてしまっては、投資効果は半減します。スギ特有の柔らかい雰囲気や香りを活かし、社員が自然と集まりたくなる空間に仕立てるための具体的なアイデアを紹介します。

アウトドアミーティングと「靴を脱ぐ」リラックスエリア

会議室での議論に行き詰まったとき、場所を変えるだけで新しいアイデアが生まれることは科学的にも裏付けられています。ウッドデッキを「第二の会議室」として定義し、活用を促す仕掛けを作りましょう。

特におすすめなのが、一部を小上がりにして「靴を脱いで上がれる」エリアを作ることです。スギ材は断熱性が高く、素足や靴下で歩いても冷たさを感じにくいため、日本人の感性に合った究極のリラックス空間となります。

●青空の下でのスタンディングミーティング
テーブルを置かずに高めのカウンターを設置すれば、短時間で効率的なスタンディングミーティングの場になります。風を感じながらの会話は、上下関係の壁を取り払い、フラットな意見交換を促進します。

●オンとオフを切り替える「小上がり」デッキ
靴を脱ぐという行為は、心理的なモードチェンジのスイッチになります。あぐらをかいて座れるスペースがあれば、休憩時間の質が格段に上がり、社員同士の雑談も自然と弾みます。

県産材家具や植栽とのトータルコーディネート

ウッドデッキ単体で完結させるのではなく、そこに置く家具や周囲の植栽も含めてトータルでデザインすることで、空間のストーリー性が深まります。

デッキ材と同じ県産スギでベンチやテーブルを造作すれば、統一感のある美しい景観が生まれます。既製品のアルミ家具では出せない、一体感のあるオーダーメイドの空間は、オフィスの顔として機能します。

●造作家具による機能的なデザイン
デッキの端材を活用してベンチを作ったり、手すりを兼ねたカウンターを設置したりすることで、無駄のない空間利用が可能です。サイズや形を自由に決められるため、デッドスペースを有効活用できます。

●富山の自生種を取り入れた植栽計画
デッキの周りには、富山の山野に自生するクロモジやマンサク、ユキツバキなどを植栽しましょう。地元の木と地元の植物が調和する庭は、四季折々の表情を見せ、見る人の心を癒やします。

まとめ

富山県産スギを使用したウッドデッキの導入は、単なる設備投資の枠を超えた、企業の未来への投資です。それは、社員の心身の健康を守り、地域環境への責任を果たし、企業のブランド価値を高める多面的な戦略となります。

メンテナンスフリーの樹脂製品は確かに便利ですが、天然木が持つ「時間と共に育つ」という価値は持ち合わせていません。手間をかけ、愛着を持って使い続ける姿勢こそが、これからの時代に求められる企業の誠実さです。

まずは、県産材での施工実績が豊富な専門業者に相談することから始めてください。実際にスギ材のサンプルを手に取り、その温かさや香り、加圧注入処理による耐久性の確かな証拠を確かめてみましょう。

その一片の木材から、御社のオフィスに新しい風が吹き込むイメージが湧いてくるはずです。地域と共に生きる決断を、ぜひ形にしてください。